ぽんたろう日記

人を元気付けるような言葉を綴りたい。

コロナ疲れの正体

 

先日NHKBSプレミアム

ダークサイドミステリー「魔女狩りの恐怖 なぜ人は、隣人を追いつめたのか?」

という番組が放送された。

 

父と妹とこの番組を見ていたのだが、このタイミングでこの番組が放送されたことに多少なりとも意図を感じざるを得なかった。

 

なぜなら魔女狩りというのは危機的状況に陥った際に人間の中に生まれる普遍的な心理、「過度な正義感」から生まれるものだからである。

 

今現在、日本だけでなく世界中でコロナが蔓延して外出の自粛を余儀なくされている。

 

そんな自粛ムードの中で我々の頭を悩ませているものがある。

 

それが「コロナ疲れ」だ。

 

そこにはなんとなく鬱々とした日が続く、ゴールの見えない戦いに気が滅入る、金銭的な不安、さまざまなネガティブな感情があるわけだが、この「コロナ疲れ」を1番大きくさせている要因はなんだろうか。

 

おそらくだが、1番我々を疲弊させているのはお互いがお互いを監視し合うこの生活、少しでも自粛から外れたことをしようものならネットで袋叩きに合う、そうした同調圧力から来るものではないだろうか。

 

同調圧力はチームワークの闇の部分である。

 

人間は比較的余裕があるときは一人で物事を解決しようとするが、危機的状況に陥ると一人で解決しきれなくなり集団に頼る傾向がある。

 

これはよく言い換えると大きな壁に対し、集団の力を合わせて乗り越えようというチームワークなのだが

 

物事には必ず光と闇があるように、チームワークというのは行きすぎると同調圧力となり、

 

その同調圧力から外れることに不安を覚えた人々は自分よりも風紀を乱す人を見ると死刑執行人の如く自分の思う社会的な正義をその人に押し付け勝手に自分は社会にとって良いことをしたのだと勘違いをする。

 

これを心理学用語で「正義中毒」という。

 

この正義中毒、科学的には正義を執行した際に強力な快感物質が脳内に放出されるらしい。

 

その快感を覚えてしまった人はさらに快感を覚えるべく社会を監視するようになり、監視の結果少しでも規範から外れようものならすぐに叩く、という行動に走る。

 

そう、コロナ疲れの正体は不安に駆られた人間の「正義中毒」による監視社会から来るものなのである。

 

今回はコロナ疲れという言葉でこの心理が説明できるが、実はこの心理は至る所で日々起きている。

 

戦時中の非国民という言葉も然り、私が去年書いた病院実習での出来事もそう、何一つとして人ごとではない。

 

わたしも強力な不安に駆られたら同じことを人にしてしまうだろう。

 

大切なのはそれを他人事ではなく自分事として自覚できているかどうか。

 

なぜかこういう正義中毒など人の負の心理を説明すると「あーそういう人いるよねー」と言う人の方が多いのだが

 

私はいつも(違う、そうじゃない)と心の中で思っている。

 

そういう人いるよね、ではなく

 

自分もやってないだろうか、自分も人にしてしまうかもしれない

 

と思ってくれればこの負のループが少しでも減るのになあと思う。