研究者に求められる姿勢
とある公衆衛生大学院の入試説明会にて
「科学的な視点でエビデンスに基づいて何かを明らかにし、問題を設定した上でそれに対する回答を自ら見出し、その過程を人に伝えて納得させる」
それが公衆衛生学に求められる姿勢であると専攻長がおっしゃっていた。
私はこのフレーズの最後の言葉にハッとした。
私がそもそも公衆衛生大学院に行こうと思ったのは自分のいる業界のいびつな構造とそれによって現場で起こっている問題にある種の怒りのようなものを覚えたからである。
この問題を解決するにはまずこの業界を俯瞰し、データを集めて分析し解決策を見出して彼らを敵に回してでも変えていくしかない、そう思っていた。
しかし、何かを解明し、変えていくということは人々を"納得させる"というところまでが大切だったのだと気付かされた。
社会課題を解決する上で必要なことは敵対ではなく、考えの違う彼らに言葉や数字でもって納得していただき共に変えていく姿勢を作ることが最終的に求められているのだと。
とても難しいがそれが1番近道である。
私は本当に課題を解決できる研究者になりたい。
そのためには考えの違う者のバックグラウンドを詳細に理解し、共感し、新しい糸口を提案し、共に変えていく必要がある。
この説明会で少し自分がどんな研究者になりたいのかが見えた気がした。